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カルチャーってなんぞ? 


こんにちは。

取締役の本郷です。

今日は「カルチャー」について考えたいと思います。 

カルチャーってなんぞ?

「会社のカルチャーって、オープンだよね」とか、グローバルなビジネス展開において「パートナーの国の文化を理解しないと契約できないし、商品が売れない」とか、ますますカルチャーが重要な時代になってきたと感じています。

 

これは、ダイバーシティとかインクルージョンとか多様性の価値を認め合う時代、逆にいえば多様性を認め合わない限り紛争がなくならないし、多様性を持った価値観やスキルを再結合しない限りイノベーションも起こらないゆえ、保守的な企業はどんどん衰退していくという観点からも、重要なテーマの一つになってきました。

 

国家間の紛争から、個人間のいざこざまで、その対立の規模は異なるのですが、その根底にあるのが相手の価値観や思考の前提についての理解が至らず、自分の軸に沿ってしか判断ができない為に起こるものです。

 

そんなカルチャーの見える化についての研究の状況は今どうなっているのでしょうか? 

カルチャー・マップと8つの軸

カルチャー・マップはINSEAD経営大学院のエリン・メイヤー教授が2014年に発表した国ごとの文化を見える化するためのツールであり、外国人と働く時にお互いに持っている前提の違いを理解するときに有用なツールの一つとなっています。

 

日本はその同質性の高さからの暗黙の了解や、暗黙知みたいなものを前提にして物事が進みますが、世界的には「いやいや、言われないとわかんなし」とか「え、そんなにはっきりダメだししないでよ」とかお互いまったく理解できない部分がとても多いです。

  www.erinmeyer.com

 

8つの軸は、

  1. コミュニケーションの仕方(ハイコンテキストかローコンテキストか)
  2. 評価の仕方(ネガティブなフィードバックが直接的なのか間接的なのか)
  3. 説得(原理優先か応用優先か)
  4. リード(平等主義か階層主義か)
  5. 決断(合意志向かトップダウンか)
  6. 信頼(タスクベースか関係ベースか)
  7. 見解の相違(対立するか対立回避するか)
  8. スケジューリング(直線的か柔軟か)

日本っぽさの可視化 

下のマップは、日本、中国、アメリカの3つを上の軸に沿って比較したものになります。

 

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日本の特徴についてみていきましょう。

  1. コミュニケーションの仕方:とてもハイコンテキスト。言外で伝えようとする、伝わる(と思っている)。いわゆる「空気読む」的なこと。なので、会議の席で発言しなかったり、なんとなくの空気で物事が進んでいってしまいます。これは外国人からするとほぼテレパシー状態です。
  2. 評価の仕方:ネガティブなフィードバックが間接的なのか。ハッキリダメ出ししないので、何をダメ出ししてされているのかいまいちよくわからないし、ハッキリダメ出しすると、人格否定された的にショックを受ける。他方、やさしーくフィードバックされるので、受ける方のストレスは低いかもしれませんが、する方が気を使いまくります。
  3. 説得(図にないので省略)
  4. リード:階層主義。言われたことに従う傾向あり。指示してくれないと動けない。他方、やることが決まっている場合には、一致団結して指揮命令系統には従うので、日本型プロジェクトマネジメントの強みを発揮できる。
  5. 決断:合意志向が強い。とにかく全員の合意形成を待つので決まるのがやたら遅い。自分の権限の範囲で決定するとか、上司部下まで含めて合意形成をしてから進めるので、中間的なアイデアになっておもしくなくなる。他方、一度合意形成されたことには迅速に物事が進む傾向がある。
  6. 信頼:関係ベースからすこしタスク寄り。人間関係重視、仕事の付き合いはじめる前に、まずは人間関係から。ただし、これも世代が若くなるほどタスクベースになる傾向がある。
  7. 見解の相違:対立するか対立回避するか。意見の相違があってもディスカッションせず、「まぁまぁ」となるので、問題が根本的に解決されることが少ない。他方、物事の対立がそのまま人間関係の対立に発展するケースが多い・
  8. スケジューリング:直線的。一度決めたことは基本的に変更しない。状況に応じて柔軟にというのがない。大型のインフラ事業とか製造とかには強みを発揮するかビジネス創造やイノベーション系には向かない。

上の3国は、私も実際住んで仕事をしていました。

 

例えば、スケジューリングでは中国はフレキシブル、日本は直線的です。中国の、状況に応じて柔軟にものごとをどんどん進めていく様や、日常生活におけるフレキシブル度は日本と真逆だなと感じますし、そういうアジャイル的な発想がサービスイノベーション向きなのだなぁと思います。

 

また日本の批判的なフィードバックが間接的なところは、外国人には一切伝わりませんし、逆に日本人に直接的にやるとだいたい角が立つケースが多いです。

 

アメリカのローコンテキストな原因は、多くの人種・風習が混在するので、文章・契約・指示は、解釈の余地がないぐらいはっきりと言わないと、そもそも社会が成立しません。

 

このように国によって考え方がまるで違うという前提にたって、コミュニケーションをすることが大切になります。

これって、会社のカルチャーにも当てはまる

実際、組織カルチャーの考え方は、国と似たようなカルチャーがあります。階層的だったり、フレキシブルだったり。ですので、会社や部門ごとにどのように考え方に違いが出るのかを理解しておくのは意味があると思います。

 

重要なのは、会社が所属している産業や領域、そして時代に合ったカルチャーができているかどうかということ。例えばIT系企業が階層型だったりしたら何もいいアイデアって生まれないですよね。ですので競争力のあるカルチャーというのが産業ごとにあるはずです。

 

以下、IT会社(プロダクトドリブン)は「こういうカルチャーの方が競争力が強いのでは?」の私なりの見方になります。

 

  • コミュニケーションの仕方:ローコンテキスト。具体的なコミュニケーションにより、曖昧さ回避、ミス、勘違いをなくす。
  • 評価の仕方:ネガティブなフィードバックが直接的。ハッキリとフィードバック。ただし、業務に対するフィードバックであり、人格とは無関係であることをしっかりと理解。フィードバックループをしっかりと働かせる。
  • リード:平等主義。新しいイノベーションはフラットにオープンに行う土壌が必要。
  • 決断:合意志向かトップダウンか。これはプロジェクトや会社の成長ステージによるケースバイケース。スタートアップの価値創造のフェーズはプロフェッショナルの集まりによるコラボレーション型とトップマネジメントによるトップダウンでスピード重視、ただし、ある程度組織が大きくなってきたら日本人が多い組織では合意志向にシフトして組織能力を担保する。
  • 信頼:タスクベース。今後リモート、働き方が多様化するなか、タスクをベースにした信頼関係の構築の仕方がより重要。
  • 見解の相違:対立を厭わない。対立しても対話をし、新しいアイデアへと導く。アイデアの平均をとるとかではない。
  • スケジューリング:柔軟でアジャイルに実施し、多くを試し、多く失敗し、外部環境に応じて柔軟にスピーディに動く。

 

だいぶ、平均的な日本カルチャーから離れてますよね。「ニーズがわかっていて、高品質で安いものを大量に作る」時代から「ニーズを探索し、価値があるサービスを作る」時代に変わっているにも関わらず、多くの日本人のマインドセットが時代に対応していないことが問題なのだと思います。IT会社を日本人的気質で運営してはいけない理由がここにあります(他方、ものづくりは日本的気質で運営することが過去は競争力になっていました)。

 

逆にいうと、IT企業においては、文化と能力こそが競争力の源泉なので、いかにしてそれらを獲得していき強い企業になれるのかということにひとりひとりが取り組んでいく必要があるのだと思います。

 

「あの、ちょっと今いいですか?」ができない!の問題の件 

実は誤解が多く生じるのはローコンテキスト文化ゾーンの人 vs ローコンテキスト文化のゾーンの人です。国でいうと中国人と日本人はお互いローコンテキスト文化同士なので、なんとなく居心地がよかったりすることもあります。なんとなく伝わっているような錯覚を受けますが、それぞれ別な前提で動いているので、油断すると気がついたときには相当認識がずれています。

 

同じことが実は、日本人の中でも発生しています。伝わっているつもりですが、案外理解していなかったり、間接的な表現すぎて何を言っているのかわからない、そしてそれをはっきりと言うとカドが立つため、その場はとりあえずスルーし、あとで毎回確認をとるというやり方になっています。それが「あの、ちょっと今いいですか?」というコミュニケーションになっていると思います。(以下、デザイナー秋月さんの投稿)

 

cbase.hatenablog.com

 

このあたりの日本のローコンテキスト文化に慣れきってしまっていると、リモートワークってやりづらいと感じることもあるようです。

 

他方、これからリモートワークのみならず、グローバルなタレントの採用、組織強化、コミュニケーションが企業競争力を左右をしていく時代になる以上、日本人側がローコンテキストになるように進化をしていかざるを得ないと思います。そのためには、物事を正確にはっきりと伝える、どういうものをアウトプットに欲しいのか、それを図で示す、フィードバックをポジティブもネガティブもはっきりする、という姿勢が重要です。これは一人で頑張ってもできないので、チーム全体がローコンテキスト化するとより効果が実感できるのではないでしょうか。

 

シーベースでは強いプロダクトドリブンの会社を目指し、また組織開発の知見などを活かしながら組織の見える化をはじめ、Future of Workに取り組んでいます。本気で成長しプロフェッショナルになりたい!、人や組織の未来に興味ある!プロダクトで世界を変えるんだ!という強い思いを共有できる仲間を募集しています。興味を持たれましたら、お気軽にご連絡ください。

 

本郷